相手に上手くYESと言わせる話し方【スモールYES・ビッグYES】

提案しても却下され続ける人「自分が提案する企画、ことごとくNG食らってしまう。話の筋は通っている気がするんだけれど…。そろそろ承認されたいな〜。」
仕事などで、提案や企画、交渉など対話によって相手の承認をもらわなくてはいけないこと、多数ありますね。
ですが、何事もそうそう簡単に承認を得られる訳ではありません。
話題が根本的にNGなものもありますが、実は単にあなたの話の意図が100%伝わらず、納得されず終わってしまうこともあるでしょう。
それって、とても勿体ないことですよね。
ここでは、「相手にYESと言わせる」確率を格段に上げる話し方のテクニックについて、解説します。
話しかけている相手からなかなか「YES」をもらえない方は、必見です。
記事の目次
- 相手の承認を段階的に得る話し方【スモールYES・ビッグYES】
- 【会話の極意】聞き手が納得する話し方が最も重要
相手の承認を段階的に得る話し方【スモールYES・ビッグYES】
聞き手に、話し手の主張に「YES」と言わせる方法は、2つあります。
- 同意・称賛するしかない最高の話を提供する
- 聞き手の同意を得て「NO」と言わせない(転じて「YES」となる)
上記の通り。
同意・称賛するしかない最高の話を常にできる人であれば、この記事を読まなくてもOKです(できれば、読んで欲しいですが…笑)
ここでは聞き手の同意を得て「NO」と言わせない方法にフォーカスします。
その方法を「スモールYES・ビッグYES」と言います。
どのような内容なのかを、下記より解説します。
スモールYES・ビッグYESを導入した話し方
スモールYES・ビッグYESとは、小さな承認を積み重ね、最終的に大きな承認を得るというテクニックです。
ここでいうビッグYES(大きな承認)とは、あなたが提案や企画、交渉にて勝ち取りたい最終ゴールのことです。
スモールYES(小さな承認)とは何かというと、「大きな承認に到るまでの間の、段階的な承認」となります。
もう少しわかりやすく説明すると、「話を細かく区切り、その区切りの断面でそれまでの話が納得できるかどうか、承認してもらうこと」です。
少しわかりにくいかもしれないので、具体例で確認してみましょう。
具体例のモデルは「社内業務の改善のため、他社サービスのソフトを導入する」というものに設定します。
スモールYES・ビッグYESのない例(提案)
- 今回の提案は、社内業務を効率化するための改善案となります。他社サービスの○○というソフトを導入することで、見積書作成に関わる業務は1日あたり1時間は短縮できるでしょう。その分、他業務に時間をあてることができ、効率化が期待できます。ぜひ導入の検討をお願いいたいます。
提案としては普通の会話に見えますね。少なくとも、相手に不快な印象は特段与えないと思います。
ですが、こう説明しても、「ソフトを導入する」という目的に「YES」と言ってくれるかは定かではありません。
それでは次に、スモールYES・ビッグYESを意識した話し方をしてみましょう。
併せて、あなたが聞き手なら、先ほどの例とどっちの例に最終的にYESと言ってしまう可能性が高いか、考えてみてください。
スモールYES・ビッグYESを意識した例
- 社内業務を効率化するための提案をさせて頂いて宜しいでしょうか?
(→「はい、どうぞ」と承認する) - 当社の見積書作成業務はもっと短縮することが可能と考えます。短縮した時間を他の業務にあてることで、もっと業績を延ばせると考えますが、この認識は間違っていないでしょうか?
(→「そうですね」と承認する) - 見積書作成にあたり○○というソフトはご存知ですか?もしご存知なければ、説明させて頂いてもよろしかったでしょうか?
(→「どうぞ」と承認する) - …という訳で、導入すれば1日あたり1時間、業務を短縮可能と考えます。この時間を、他の業務にあてれば、我が部署の効率および収益に大きく貢献すると思います。もし、私の認識が間違っていたら大変なので、ここまででおかしな事を言っていたらご意見をお願い致します。
(→「間違っていない」と承認する) - 私のお伝えしたいことは以上となります。ソフトの導入について、ご検討いただけますよう、お願い致します。
上記の通り。
スモールYES・ビッグYESを意識した例、しない例、どちらも話の意図は同じものです。
ですが、話の印象としては、意識した例の方がそのまま最終承認(ソフト購入)をしてしまいそうな気がしませんか?
このように、話を段階的に区切り、小さな承認を得ることが、大きな承認につながるための秘訣です。
スモールYESで相手の同意を積み重ねるメリット
小さな承認を積み重ねるということは、
- 話全体のうち、どこまでがOKで、どこがNGなのかがわかりやすい。
- 承認の積み重ねで、あなたへの信頼が無意識に蓄積する。
などのメリットがあります。
小さな承認=セーブポイント
ゲームっぽい例えですみません。ですが、本当に似ていると思います。
例え一度差し戻しとなっても、次に提案するときは残り30%分を通せればOKです。
再び話を提案する際は、「この前はここまでご承認いただきましたが、宜しかったでしょうか?」と前置きを挟むとGoodですね。もしかしたら、あなたとの前回の会話は忘れ去られている可能性もありますので。
承認の積み重ね=信頼の積み重ね
承認する・されるということは、そこで少なからずコミュニケーションが発生しています。
コミュニケーションの中で承認されるということは、「あなたの話を聞き続ける」という姿勢が相手にはあるということです。
つまり、あなたの話は聞くに値するという信頼を少なからず得ています。
小さな承認が多数になる程、あなたへの信頼は積み重なっていきます。
最終的なビッグYESを貰う直前には、「こいつが言うことは全面的に支持できる」という信頼感MAX状態まで引き上げることも可能です。
このように、スモールYESの積み重ねが、最終的なビッグYESを得るためにとても有効であることがわかります。
【悲報】スモールYESが何度もNGな場合は根本的な原因がある
当たり前ですが、スモールYESといえど毎回スムーズに承認されるとは限りません。
時には不採用となることもあります。
素直な気持ちで、「今の話で私が至らなかった点について、アドバイスいただけませんでしょうか」など、相手の意見を伺うというのが、「相手の気持ちに寄り添った、スモールYES獲得への近道」です。
スモールYESの獲得は、ビッグYES(最終目標)の獲得に比べると比較的簡単です。
また、話し方のプラン修正も比較的簡単に済みます。
NGを食らっても、会話のコミュニケーションを通じて、相手がYESと言いたくなる要素を探ることを意識してみましょう。
そして、少なくとも2〜3回の提案のうちに、スモールYESを獲得するべきです。
あまりに何度も修正・提案を繰り返す(=相手の気持ちに寄り添うことができない)と、「しつこい」と言う評価に至りますので要注意。
【上手な話し方】聞き手が納得する話し方が最も重要
勘の良い方ならお分かりかと思いますが、【スモールYES・ビッグYES】のやり取りの中で、話し手と聞き手は何度もコミュニケーションを繰り返しています。
- ここまでは、納得した。
- ここがわからないから、聞いてみよう。・
- こういうメリットがあることも、付け加えて話してみよう
- もっとメリットとなることがあるなら、聞いてみよう
など、話し手の主張では伝えきれなかったことを、お互い納得いくまで確認し合うことが可能です。
決定権は聞き手にあっても、話し手と聞き手は対等である理由
細かい確認を通して、
- 話し手は、話の筋道が明確となり、話しやすくなる。
- 聞き手は、話し手の会話内容の疑問点が解消される。
上記の理想的な対話が可能となります。
決定権は聞き手にありますから、疑問がなくなるということは、話し手と聞き手の意思が揃うことと言っても過言ではありません。
つまり、スモールYESは話し手のためでもあり、聞き手のためでもあると言えます。
話し手は、聞き手が納得してYESと言える環境を整えましょう。
複数名でのスモールYES・ビッグYES
例えば会議などで多人数となると、話し手や聞き手の数も増えます。
また、話し手/聞き手の立場がコロコロ変わることもあるでしょう。
このテクニックを知らない人が多いと思うので
この記事を見て頂いたあなたが率先して、
- 私の意見は○○ですが、意見ある方はいますか?
- あなたのこれまでの話は○○ということでよろしいですね?
というような確認行為を挟み込んでみてください。
そして、メンバーから、スモールYESをもらってください。
そうすることで、無理・無駄・ムラで染まる会議が有効な時間と化ける可能性が高くなります。
グダグダと大事な時間を使うより、サクッと済ませた方が楽ですよね。
スモールYESの積み重ねで、時短かつ効果的になり、ビッグYESを引き寄せる可能性も向上します。
人数が多くなると難しくなるかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。
その場でしっかりとシメれる人であることをアピールできれば、あなたの株は爆上がりです。
以上のように、スモールYES・ビッグYESの概念で、あなたの話しが承認される可能性がぐっと高まりました。
このやり方は、今すぐにでもできる方法です。是非ともすぐに取り入れ、話し方をアップデートしましょう。
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本記事以外にも、話し方に関する記事を当ブログでは取り扱っています。
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