みんなの会話つまらなさすぎワロタ。人の顔色ばかり伺いおってからに。もっと響く話が出来るやつはいないものか。
いわゆる「偉い人」は、飽き飽きするくらいいろんな人の話を聞いています。
人の話をよく聞く人は、悪気無しに興味の薄い話はあまり記憶していないことでしょう。
この辺りは、過去に記載した【1トーク1アクション】でも解説しています。宜しければご覧ください。
【短期記憶に響く】会話が覚えられない人のための1トーク1アクション
伝えたはずなのに覚えられていないことや、教えられたのに覚えられないこと、割とあると思います。話し手の立場から、記憶に響く伝え方のヒントをここでは解説します。1回の会話で1つのアクション【1トーク1アクション】をヒントに、短期記憶に響く方法を繰り返し、長期記憶として定着するよう、根気強く繰り返すことがコツです。
リンク先の記事にも少々触れているのですが、人の記憶に強烈な印象を与える方法として、「感情を揺さぶる=感動させる」ということが重要になります。
では、会話で「感情を揺さぶる」ためには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
その答えに最も近しい方法が、ビジュアライズ(visualize:視覚化する)となります。
脳内劇場で感動を作り上げる話術【ビジュアライズ】
ビジュアライズとは、話し手の会話内容を、聞き手の頭の中に具体的に描かせることを言います。
具体的に描かせるために、会話のシーンを容易に想像できるよう、情報を盛り込みます。
いきなり質問です
- あなたの記憶に残っているテレビドラマやアニメ、映画のワンシーンはなんですか?どんな内容でもいいです。
おそらく大半の方は、「感動した・興奮した・恐怖だった・涙が止まらなかった」などの、「感情が揺さぶられたシーン」だと思います。
実体験はなくても、視覚情報、聴覚など、与えられる情報だけで人は心が大きく動きます。
この概念を会話に応用させたのが、ビジュアライズです。
聞き手の頭の中に、劇場を作り、感動を提供します。
人は感情で行動する
なぜ「感動」を提供する必要があるのか、解説します。
例えば、いくら正論を言っても、感情がともわないと乗り気じゃないことって多々あると思います。
担任の先生や親御さんに、こんなこと言われた経験、誰しも経験あるでしょう。
ですが、あなたはそれを受け入れ、ただちに勉強できましたか?
常にただちに勉強できたとは限らないでしょう。人によっては、無勉強でテストを迎えたこともあるでしょう。
「勉強しないとテストでいい点数が取れない」という正論になんだかんだ理由をつけて行わないのが、人間です。
- とにかく、めんどうだ
- あと30分くらい休んでからやろう
- 元々わからないし、今更辛いだけ
こんな屁理屈を使って、マンガを読んだりゲームしたり、現実逃避したことある人は多いと思います。
つまり、人間は正論だけでは動かず、最終的には感情で行動しています。
感情=勉強したくない
「感情を殺して」行動するパターンもあるでしょうが、どうしてもやらなきゃいけない制約さえなければ、普通は感情に従いますよね。
感情に限ったことではありませんが、人間は心地良い方に流れます。
ということはつまり、感情に訴える話し方さえできれば、あなたの話をじっくり聞いてくれる可能性が、格段に向上することがわかります。
ビジュアライズで脳内劇場に感動を巻き起こそう
では、感情に訴える話し方とは何か。
それは聞き手の頭に劇場を作り、あなたの話をビジュアライズすることです。
具体的には、小説や映画のワンシーンのように、あなた相手の脳内に話のストーリーが思い浮かべられるようにするということです。
ビジュアライズのための情報
- 登場人物の詳細(年齢、性別、身長体重、国籍など)
- 場所の特徴(屋内屋外、空間の広さ、温度など)
- 時間軸の設定(時間、季節、昼夜など)
- 何をしているかの詳細(とにかく細かな詳細)
- 登場人物の気持ち(何をして、何を感じたのか)
- どうなったか(ハッピーエンドかバッドエンドかなど)
例えば上記の通り。
もちろんこれ以外にも多々あります。
状況説明するということと似ていますが、大事なのは登場人物の気持ちを語るということです。
登場人物の感情の動きに、聞き手が感情移入することで、聞き手の心が動きます。
具体例を挙げますので、どちらが脳内でビジュアライズされたか判断してみてください。
例文1
- 夏休みももう終わる頃だけど、特に変化なくいつも通り過ごした。
- この前家族とやった花火余っていたし、隣の幼馴染をさそって花火をし用と考えたんだ。快諾してくれてよかった。
- 僕は幼馴染に好意があり、花火が終わったら言おうとしていたことがあったが、迷っていたんだ。すると…
例文2
- 高校3年目の夏休みがもうすぐ終わろうとしていたのに、いつも通り宿題とゲームばかりやっている。
- でも、お盆前に家族で花火をした余りを見つけて、夏も終わりだし最後にやってみようかなって思って。隣に住む幼馴染の女の子を、思い切って花火に誘ってみたんだ。20時という遅めの時間だったけれど快諾してくれて嬉しかった。
- 実はその子のことが昔から好きだったんだ。だから、誘うときはとても緊張してさ。ぶっちゃけ花火している時もなんだか上の空で、あっという間に楽しい時間は過ぎるなって改めて思ったよ。
- 花火を終えた頃時計を見るともう22時で、早く帰らないと怒られると思ったんだけど、まだ帰りたくなかったんだ。こういう気持ちになったことあるよね?もうすぐ大学受験だし、来年もまた、こうして一緒に花火をできるのだろうかって考えたらなんだか切なくて。時間が止まったらいいのにって、ふと思った。
- 実は花火を終えたら、この気持ちを伝えようと思っていたけれど、情けないことに意気地なしだから、なかなか言えず迷っていたんだ。すると…
ダントツで例文2の方が、頭の中で具体的なシーンが描ける(ビジュアライズできる)と思いますが、どうでしょうか?例文2の方が、話の続き、聞きたくなりませんか?
例文ということで少々盛り過ぎた点は否めませんが、
ビジュアライズとはつまりこういうことです。
ただ単に情景を説明するだけではなく、
登場人物の気持ちやその時考えたことなんかも、聞き手の感情を揺さぶる材料となります。
このように、話のビジュアライズをすることで、より相手が興味を持つ会話が可能となります。
ビジュアライズが有効な場面と、不要な場面
ビジュアライズはとても効果的なテクニックですが、それでも会話のTPOにあわせて、ビジュアライズの使用をやめたり、レベルを調整する必要があります。
それはどんな時なのか、例えば下記の通り提案します。
怒られたときは、不要
ビジュアライズは不要です。何か発言を求められた時は、事実だけを簡潔に、飾らずに伝えましょう。
ディスカッションに参加した時は、基本不要
討論の場にもそんなに不要かと。討論という性質から、感情を動かすより、論理で詰めていく方が良いでしょう。
もちろん、何かの実例紹介の時など、話のスパイスとしてたまに使うには差し支えありませんが、そこそこ上級テクニックかもしれません。
逆に、ビジュアライズに向いているのはどんな時か、下記の通り提案します。
頼み込む時は、有効
何かを頼み込んだりお願いするとき、心からの熱意を伝えると意外と通ったりすることがあります。
熱意を伝えるということは、感情を揺さぶるということです。熱意をビジュアライズしてみましょう。
プレゼンテーションは、相性抜群
何かを売り込んだり価値を提供する場合、特に有効です。
それを所有したり使ったりすることでどんな価値(喜び、満足、便利など)が得られるのかを上手く表せれたら、最強です。
そもそも、相手の心を動かさないとビジネスは成立しないでしょう。
愛の告白は、ほどほどに
「僕のこの思いはあの山より高く、海より深く〜」など語られても、結構重いです。
でも、ある程度はOKです。「こんなことがあって君を好きになった」という、あなたの特別な脳内劇場をさらっと知ってもらうくらいが丁度いいでしょう。
ビジュアライズを極めると
相手の心を動かす=自分に有利な方向へ話を進めることが可能となります。
極めると、マインドコントロールに近しいことも可能です。
相手をコントロールする意味でビジュアライズを多用するのは、厳禁です。
ということで、良くも悪くも相手の心を動かす「ビジュアライズ」について、ぜひ意識づけてやってみてください。
上手くできるようになると、話し手も気持ち良く話することができます。
ですがビジュアライズは、あくまで「相手の心を掴む」ことが目的です。自分の世界に没頭せず、あくまで聞き手のために、ビジュアライズを取り入れてみて下さい。
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話し方の極意とコツのまとめ【パブリックスピーキングスキル】
わかりやすく心を動かす話し方の極意は難しいことではありません。誰でも、コツを覚え、テクニックでスキルを伸ばすことができます。ここでは実践的かつ効果的なパブリックスピーキングのスキルアップテクニックについて、これまでこのブログで紹介した内容ををまとめて紹介します。