「なぜ」から始まるゴールデンサークルという話し方のテクニック

人を惹きつける力に悩む人「スティーブ・ジョブズのような話し方に憧れる。僕も人前で話すことがあるけれど、あれだけ人を惹きつけるカリスマ性を発揮できたらいいのにな。なんかコツがあるのだろうか。」
人は誰もが皆、話し方に優れているわけではありません。
時には苦手ながらも人前で話さねばならない場面もあることでしょう。
話し慣れしていない人は、苦手意識が表情や声色、話し方に現れてしまいます。なおネガティブな印象は人に伝わりやすいので、注意です。
では逆に、相手にポジティブな印象を与えられるとどうでしょうか。
説得力が高まり、非常に好印象を持たれる可能性が高まることでしょう。
全ての会話に「明るく、ポジティブに」はちょっと難しいと思いますが、別の方法で相手に好印象を与える方法があります。
それが、【ゴールデンサークル】を意識した話し方となります。
ゴールデンサークルとは何か、ここでは解説します。
この思考を覚えれば、あなたの話し方も格段にカリスマ性が高まります。
ぜひ参考にしてみて下さい。
本記事の内容
- ゴールデンサークルとは【カリスマ性を高める理論】
- ゴールデンサークルを利用した著名人【なぜのビジョン】
- 「なぜ」から始まる話し方を意識しよう【カリスマ性を高めよ】
ゴールデンサークルとは【カリスマ性を高める理論】
ゴールデンサークルとは、サイモン・シネック氏が2009年の【TED Talks】でプレゼンした「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか」の中で提唱したものです。
その時の映像がございますので、下記にリンクを貼っておきます。ご参考にして下さい。
「なぜ」から始める話し方:ゴールデンサークルとは何か
では、次にそのゴールデンサークルとは何か、という話に移ります。
サイモン・シネック氏の提唱によれば、優れた指導者やカリスマ性が高い人にある共通する考え方・行動方針があると言います。
それが
- WHY:なぜ
- HOW:どのように
- WHAT:何を
を、組み合わせたゴールデンサークルだと言います。
まずは下の図を参照して下さい。
WHYを中心に、WHY→HOW→WHATと3つの円が重なったこの概念を、ゴールデンサークルと呼びます。
WHYから外に向けて矢印が放たれていますね。
この図は、何事も行動・言動の原点はWHYから始まるということを示しています。
この図に従い、「なぜ」行動(言動)するのかを一番最初に伝え、それから「どうやって」、「何を」を具体的に語るやり方を、ゴールデンサークル理論と呼びます。
書籍もございます。さらに詳しく知りたい方は、チェックしてみてください。
ゴールデンサークルが優れている点
実は人々が行動(言動)をする順番としては、WHAT→HOW→WHYの順番を選択する人・企業が多かったりします。
例文(WHATから始まる)
- 私は隠居した身ですが、寂しくありません。(WHAT)
田舎に住み、野菜を育ててひっそりと暮らしています。(HOW)
都会の喧騒を離れ、静かに暮らすのが夢で、ついに実現させました。(WHY)
例えば上記の通り。
これはこれで特段変な文章ではないのですが、では比較としてWHYから始まる文章を見てみましょう。
例文(WHYから始まる。ゴールデンサークルに準ずる)
- 都会の喧騒を離れ、静かに暮らすのが夢で、ついに実現させました。(WHY)
田舎に住み、野菜を育ててひっそりと暮らしています。(HOW)
私は隠居した身ですが、寂しくありません。(WHAT)
最初の例文と並びを変えただけなのですが、WHYが先に来るとその人の信念や感情が一番先に飛び込んでくるので、その後の話の印象が少々異なるのではないでしょうか。
WHY(なぜ)の中にはその人がなぜそうしたのか、(そうしたいと思ったのか)という感情や信念、情熱が詰まっています。
また、その先に見ているビジョンを聞き手に見せることも可能です。
このブログでは何度かお話ししていますが、人は最終的には感情で動きます。
もちろん最後にWHYを伝えることも悪くはないのですが、相手に何かを伝えたいときはなるべく最初のうちに相手の心を掴んでおく必要があるでしょう。
ゴールデンサークルを利用した著名人【なぜのビジョン】
ここでは、
- スティーブ・ジョブズ(Apple)
- キング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)
の2名を挙げます。
どの方も1度は聞いたことのある名前かと思います。
では、どのような場面でこのゴールデンサークルを使用してきたのか、例を見てみましょう。
スティーブ・ジョブズ(Apple)のゴールデンサークル
Appleの象徴とも言える、圧倒的なカリスマ性を持つスティーブ・ジョブズ。彼がいたAppleでは、下記のようなフレーズを使いました。
- 現状に挑戦し、他者とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。
製品を美しくデザインし、操作法をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦しています。
その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。
一台、いかがです?
冒頭で、信条(WHY:なぜそれをやるのか)が語られます。
このような信条からApple信者が生まれ、熱狂することとなります。
商品の素晴らしさも勿論ですが、信者が生まれるAppleの場合それだけではありません。
このような信条に共感・賛同する者が生まれるのはやはり、人々が最終的に感情で動くことに他なりません。
キング牧師のゴールデンサークル
- 「私には夢がある(I have a dream)」
が、とても有名な演説があります。
理論や正論で人々に語りかけるのではなく、夢というビジョンを必死に語りかけるその姿に、人々は彼の言葉に耳をかたむけることにしたのでしょう。
「夢があるから、これをしている・これをしたい」というWHYを強く語りかけることで、人々の感情を掴んでいることがわかります。
以上のように、ゴールデンサークルに沿った表現で、人々を惹きつけカリスマ性を高めることが可能となります。
ゴールデンサークルでカリスマ性が高まる理由
人々はWHAT→HOW→WHYの順番で行動や言動を組み立てる人が多いと話しましたが、人によってはWHYが欠如している人もいます。
そういう人にとって、心に刺さった「WHYのある言動」はとても衝撃的だったりします。
自分の持っていないWHYに他人のWHYが入り込み、あたかも自分の信念・理想のように取り扱うこともあるかもしれません。
「なぜ」から始まる話し方を意識しよう【カリスマ性を高めよ】
あなた自身、カリスマ性を高めたいと特別考えていないかもしれませんが、ないよりあったほうがいいのは間違いありません。
- 「なぜ」がわかれば、その人をもっと知りたくなる
- 「なぜ」を持つあなたの価値を高める
- 「なぜ」の内容に賛同したくなる
これらの相乗効果で、カリスマ性が高まります。
「なぜ」で始まる思想や理念を通じて、あなたへの好感度はおろか、支持・賛同といった深い共感を掴むことも夢ではありません。
あなた自身をワンランク高めるためにも、このゴールデンサークルを意識した話の伝え方を意識してみてはいかがでしょうか。
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